Snow Manにはお嬢がいる IV《紅一点》 (ページ5)

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阿部 side

あのあとリハが始まるからと滝沢くんと健くんに会った。
お嬢の謝罪より先に弾丸のように飛びついた健くんによって吹っ飛ばされていたのは見なかったことにしよう。

三宅
「お嬢！！！ほんっと、ほんっとに！！良かった！！もう平気なんだな？復帰だな？？？」

『あ、あの、健くん、苦しいです』

三宅
「うるさい！今よりもっと俺らは苦しかったしそれ以上にお前は苦しかったんだから！！こんくらい我慢しろ！！バカやろう！！」

『は、はい、、』

ぎゅうぎゅうに抱きしめて撫でくりまわす健くんにされるがままのお嬢。でもふたりとも笑みがこぼれてる。

滝沢
「健くんだけずるいなあ、おらぁ！」

悪ノリした滝沢くんが飛びついてったのを見た俺たちはそのまま流れに任せてひっつきにいく。やいのやいの言われてみんなにもみくちゃにされてるお嬢はアハアハと笑っていて久しぶりに笑顔を見たな、と安堵した。

三宅
「お前ら邪魔！くっつくな！おい滝沢！」

滝沢
「健くんだけはダメでしょ」

「そーっすよ！」
「俺らも混ぜてくださいよ」

佐久間
「なんなら健くん俺に！俺に！！」

三宅
「佐久間うるせえ！！」

音楽番組のリハ前なのに、楽屋で一際うるさく騒いだせいでスタッフさんたちには仲良しですねえ、なんて笑われた。

大千秋楽を終えてから何をしてたのか。どんな仕事があったのか。入院してたのは本当か。病院のご飯は美味しいのか。何をして過ごしたのか。
俺たちが、つい気を遣ってしまって聞けなかったことを健くんはズケズケと聞いていく。
純粋に気になっただけだとわかる健くんからの質問。

ドラマがクランクアップしたこと、雑誌の撮影と取材の時間が中々取れなくて別だったこと、病院のご飯は美味しいけど自分には量が多くて苦しかったこと。
健くんからの質問には探りや調査が一切無いことがわかっているからか、その質問ひとつひとつに対してお嬢は律儀に答えていた。

もう少し詳しく聞きたいが、俺たちが聞くと取り調べになってしまうからどうしたもんかな、、、。

今日の本題は、発売間近の【逆転ラバーズ】で歌番組に出ること。歌舞伎でも踊ってたから、と言われたらそれまでだけど、半月くらい合わせてもいなかったというのに降夢はバッチリ揃えてきた。
これが降夢Aという人間の実力だ。
その実力に照準を合わせるために努力を怠らないストイックなやつだから、数日間入院した分を取り戻そうといろいろしているのは想像がついた。

今年(2018)の少年たちは関西からだ。俺たちはそのあと9月から公演だからまだ間に合う。サマパラも今ならまだ問題ないだろう。

SnowMan、再始動だ。